ジャービス・ベイその21

ボートダヴィットのアームを取り付け、救命ボートを搭載しました。本船の船首側から数えて1番目から4番目までのボートダヴィットは、あのタイタニックが装備していたボートダヴィットと同じ形式です。救命ボートを吊ったアームがギヤで外側に倒れて、そこからボートを海面まで降ろします。その作業の様子は映画の「タイタニック」に描かれていますのでご覧になった方も多いと思います。また、上下2段に救命ボートが搭載されている場合は、同じ動作を2回繰り返します。

この形式のボートダヴィットが何という形式なのかはいろいろと調べましたがわかりません。

このボートダヴィットは救命ボートを下すのに時間がかかり、万一のときには間に合わない可能性が極めて高いです。幸運にもタイタニックは沈没するまで約1時間あり、しかも左右に傾斜せずに沈んでいきましたので救命ボートを下すことが出来ました(それでも多くの方が犠牲になったのはボートの絶対数が足りなかったため)。しかし多くの海難事故では、沈没まで時間がなく救命ボートを下す余裕がないことが多いです。

そのため、重力式ボートダヴィット(Gravity type davit)が開発されました。現代の客船の多くには重力式ボートダヴィットが装備されています。しかし重力式ボートダヴィットも船体が横に傾くと、傾斜側の反対舷ではボートを海面に降ろすことができなくなります。その点、現代のカーフェリーや内航客船などに多く搭載されている膨張式救命いかだは海面に落下すると自動的に展開するので、この欠点を補うことができます。

ボートダヴィットについては書き始めるときりがないので、この辺にしておきます。